どうも、兄者です。
10月か11月に日本に帰国して数ヶ月滞在すると言っていたのですが、論文の投稿などが遅れていたりで帰国は12月になりそうです。
セミナーや個別指導などやろうと思っているのですが、準備はいつになることやら!
さて、先日初めてnoteを利用して記事を書いてみました。
筋肥大に最適なプロテイン・タンパク質摂取の方法
お題の通り筋肥大に最適なプロテイン・タンパク質の摂取方法・量・タイミングなどをたくさんの研究結果をまとめながら解説しています。
すでに90人以上の方から読んでいただきました。読んでいただいた方はありがとうございます!
今日はここ最近(2018年9-10月)に発表されたタンパク質摂取に関する面白い論文をまとめて紹介しようと思います。
いくつかはTwitterでも紹介していますが、140文字制限がないのでもう少し詳細に紹介していきます。
A high protein diet (3.4 g/kg/d) combined with a heavy resistance training program improves body composition in healthy trained men and women – a follow-up investigation
https://jissn.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12970-015-0100-0
筋トレを普段からしている人を対象に、1日体重 x 2.3 gまたは3.4 gのタンパク質を摂取させながら同じメニューの筋トレを6週間やらせて結果を比べました。トレーニングは週5で1日2部位、各部位4-6種目です。
結果的に体組成や筋力の増減に差はほとんど見られなかったとのこと。
ただ、結果的に3.4 gグループの方が多くカロリーを摂取しているのにもかかわらず、体重増加は2.3 gグループのほうが少し多く、一方体脂肪は3.4 gグループのほうが少し減ったということは面白い点だと思います。
これは1日体重 x 3.4 gという大量のタンパク質を摂取しても特に危険なことはみられなかった(この論文の検査方法・項目の範囲では)ということと、体重 x 2.3 gより多くのタンパク質を摂ってもさほどプラス効果はないかも、ということが言えると思います。
しかし体重 x 3.4 gの摂取って、70 kgの人だと1日238 gのタンパク質、1日5回食べるとして1回に47 g程度のタンパク質を摂らなきゃいけません。結構な量ですね…
Whole-body net protein balance plateaus in response to increasing protein intakes during post-exercise recovery in adults and adolescents
https://nutritionandmetabolism.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12986-018-0301-z
身体全体の、筋肉を含めたタンパク質貯蔵量の増減を調べた結果、ある一定量以上タンパク質を摂取しても身体のタンパク質量は増えないことがわかった。
論文の図2をみると明らかに身体のタンパク量がプラトー(それ以上増えない)に達していることがわかります。
”筋合成の刺激効果”だけを考えると、タンパク質は食べれば食べるほどいいワケではなく、ある一定量以上になるとそれ以上筋合成刺激効果が増えないことは知られていました。
今回のこの研究によると、”身体全体の筋肉を含めたタンパク量”を考えてもいわゆる天井が存在するかもということです。
男性は1時間あたり体重 x 0.15 g、女性は1時間あたり体重 x 0.12 gぐらいのタンパク質摂取量で”天井”に達するみたいです。
例えば起床時間15時間で計算すると1日あたり体重 x 2.25 gのタンパク質。
これが多いか少ないかは個人によって感じ方が違うと思いますが… あと被験者がどういった運動経験があるのかがちょっと不明です。
Protein intake in the early recovery period after exhaustive exercise improves performance the following day
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30212306
バイクマシーンで運動後、炭水化物のみ or 炭水化物+プロテインを摂取。 翌日のバイクマシーンでのタイムトライアルのパフォーマンスを比較した結果、炭水化物+プロテインのほうがパフォーマンスが良かったとのこと。
また、炭水化物のみのグループではタンパク質が分解している兆候が見られたとのこと。
運動直後から2時間にわたり、炭水化物グループは体重x2.4 gのカーボ、炭水化物+プロテイングループは体重x1.6 gのカーボ+0.8 gプロテインを摂取した結果です。
運動直後は炭水化物のみよりも、炭水化物+タンパク質を摂取したほうが回復が良いかもしれませんね。
なぜ炭水化物+タンパク質の方がいいのか?というメカニズムはよくわからないみたいですが、タンパク質合成であったり、筋肉の分解が抑えられるからかも?とのことです。
Effects of Graded Whey Supplementation During Extreme-Volume Resistance Training
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2018.00084/full
ベンチプレス3RM 100 kg程度の男性被験者を対象に、タンパク質摂取量やトレーニング量の筋肥大に対する影響を調べた論文。
かなり実験量が多く、ちょっと複雑な論文ですが、データ1つ1つはとても面白いです。
論文の最後に総トレーニング量と除脂肪体重増加量の関係性を調べています。
各部位週20セット以上にトレボリュームを増やしても、水が増えるだけで実際の筋肉量は増えなかったとのこと。
筋肥大の指標として除脂肪体重がどれだけ増えたかというのはよく使われますが、水の増加量を加味したものはなかなかみません。
この水の増加量の測定がどれだけ正しいものなのかわかりませんが、面白い結果です。
Effects of Protein Supplementation on Performance and Recovery in Resistance and Endurance Training
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2018.00083/full
よくプロテインはトレーニング後30分以内のゴールデンタイムに摂取するのが必須!!
と言われていますが、最近の流れではトレーニング後が特別に筋肥大にいいというワケでもないということが言われています。
しかしトレーニングからのリカバリーなどを考えると結局トレーニング前後にちゃんとタンパク質を補給することは大事なのではないかということです。
Ingestion of Insect Protein Isolate Enhances Blood Amino Acid Concentrations Similar to Soy Protein in A Human Trial
https://www.mdpi.com/2072-6643/10/10/1357
ホエイ、ソイ、昆虫由来のプロテインの組成や飲んだあとの血中アミノ酸濃度などを比較。
昆虫由来のプロテインはゴミムシダマシ科の甲虫から精製したみたいです…
筋合成刺激に重要なロイシンやBCAAの含有量はソイと似ていて、摂取後の血中アミノ酸の上昇具合もソイと似たような感じ。いわゆる”吸収の遅い”タンパク質に分類される。タンパク質としては結局ホエイの方が優秀そうである。
ただフェニルアラニンとチロシンの含有量はホエイやソイと比べてかなり多い模様。
未来の食糧危機は昆虫食が救う!?とたまに言われますが、こういった研究もされているんですね。
以上ここ最近、2018年9-10月のタンパク質に関する面白そうな論文をまとめてみました!
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