我々東原兄弟は都市伝説に惑わされず、運動・栄養・サプリに関する研究結果を紹介しています。
そんなふうに情報発信をしていると、サプリメントの効果を検証した論文ばかりバズりがちですが、実はサプリメントの優先度は一番低い、というのが研究者たちの結論です。
今日はそんなわけで筋トレをする上で “必ず” 必要な知識として、必ず知っておきたいトレーニング・栄養の優先順位を下図のピラミッドに沿って解説していきたいと思います。

(adapted and modified from https://muscleandstrengthpyramids.com/)
栄養編
1、エネルギー収支
栄養で一番大事なのはエネルギー収支です。痩せたいのであれば消費エネルギー>摂取エネルギー。大きくなりたいのであれば消費エネルギー<摂取エネルギーにするのが基本です。
しかしここで大事なのは、カロリー計算結果にとらわれすぎないことです。ちょっと検索すれば体重・除脂肪体重から一日の消費カロリーを計算でき、そして食べ物を記録すれば摂取カロリーを計算することができます。しかしその計算結果に基づいて太るor痩せるように食べていてもなかなか体重が増えないときなどがあると思います。
そもそも消費カロリーには個人差があります。同じものを食べていても太りやすい人と太りにくい人がいますし、計算通りにはいきません。また、摂取カロリーも正確には計算することが不可能です。どれだけ身体に吸収されるかにも個人差がある上に、成分表にのっている食品のエネルギーも一般的に± 20%の誤差があることが想定されています。
はじめは計算結果に基づいて食べるのがいいと思いますが、思ったような変化が現れないときは計算結果は誤差が大きいということを踏まえて調整しましょう。
2、マクロ栄養素
次の大事なのは「タンパク質・炭水化物・脂質」、いわゆるマクロ栄養素の量です。例えば同じ2000 kcalをケーキ・コーラで摂取するのと、肉・ご飯・野菜で摂取するのでは全く内容が違います。タンパク質をどれだけ摂るのがいいか、その他バランスはどう摂るのが一番いいか。それはまた別の記事で…
3、ミクロ栄養素
ビタミンや亜鉛などのミクロ栄養素は確かに大事ですが、上記2つに比べると優先度が下がります。個人的には野菜などをちゃんと食べるバランスの良い食事をしていればサプリを摂る必要はないと思いますが、偏った食生活になりがちな際はサプリで摂取するのも大いにアリだと思います。
4、摂取タイミング・サプリ
その他の優先順位はグッと下がります。まず摂取タイミングですが、ゴールデンタイムの30分が大事!というワケでもないということが最近では言われています。
①トレ直後のプロテインは必ずしも必要ではない?
ゴールデンタイムの30分を逃すな!とよく言われるが、プロテインはトレ前後どちらで摂っても効果は変わらなかったとの結果がある。https://t.co/gsGItFZKcz
最近では前後で食事をしっかり摂れば必ずしも必要ではないと言われている。— 東原兄弟@筋トレ&サイエンス (@toharabrothers) August 28, 2018
また、サプリはどこまで言ってもサプリメント=補助です。食事より大切になることはありません。
トレーニング編
1、継続
一番大事なのは”継続すること”です。ジムと契約してみたものの1ヶ月も経たず行かなくなるなどよくある話です。筋肉は短期間ではつきませんし、ダイエットもちょっとの間頑張っただけで体型が維持できるようになることはありません。数ヶ月、年単位の努力をできることが大事です。
2、トレーニング量・強度・頻度
トレーニングは週何回、何種目を何セット、どれぐらいの強度でやるのが一番良いか。永遠の皆さんの疑問ですし、とても大事です。運動の研究者たちは最適な筋トレ強度も研究しています。それらの結果も別の記事でまとめます。
3、着実に進歩すること
筋肉をただ単にデカくしたいのであれば大事なのは重さではありませんが、着実に、少しずつ重いものを対象筋に載せて扱えるようになることは、自分の進歩を感じられるので大事だと思います。
⑥筋肥大のためなら高重量は必ずしも必要ではない?
限界まで各セット行う限り、高重量低repsでも低重量高repsでも”筋肥大への効果”は変わらないという結果がいくつかあります。https://t.co/EQipGzzem7https://t.co/l22t9UvKOt怪我をすると焦りますが、無理をせず…
— 東原兄弟@筋トレ&サイエンス (@toharabrothers) September 1, 2018
4、その他(トレメニュー・インターバル・テンポ)
その他の優先順位は上記の3つに比べるとやはり下がります。ダンベルプレスがいいか、ベンチプレスがいいか…それは個人個人でどの種目が筋肉の収縮を意識できるかにもよります。トレーナーの方々などに新しい種目も習いつつ、自分の効かせられる種目を選択するのがいいと僕らは考えます。
また、インターバルは1分か3分かもっと長くか、これも永遠の議論です。最近では1分より3分の方がいいと言われたりしますが、インターバルが長いとトレーニング時間そのものがかなり長くなってしまうという弊害もあります。もっと大事なトレ強度を犠牲にしてまでインターバルを気にする必要はないと思います。
以上のように栄養・トレーニングどちらにも優先順位というものが存在します。
この優先順位を忘れてしまうと、例えば
「サプリで月1万円使わなきゃいけないからジムは安いところへ…」
「パーソナル受けたいけどサプリ・ビタミン代がかさんでるから厳しい…」
「インターバルは3分がいいらしいから、今日はトレ時間1時間しかとれないけど種目を減らそう…」
といったナンセンスな行動をしてしまうかもしれません。
みなさんぜひ明日から何が大切で何を優先するべきかを意識してやってみてください!
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