”科学的”とはシリーズ①:サプリを購入している人に考えてもらいたいこと

トレーニーの方々は、普段からさまざまなサプリメントを摂取しているという方が多いのではないでしょうか。トレーニー向けのサプリとしては、多くの方が摂取しているであろうプロテインの他にも、必須アミノ酸(EAA)、BCAA、グルタミン酸、クレアチン、ビタミン剤、亜鉛、カルニチン、コラーゲン、酵素サプリ、HMBなど様々な種類のものがあります。

皆さんはどのような効果を狙ってそれらのサプリを飲んでいますか?
また、その効果の根拠はどこにありますか?

例えばプロテインを、何の目的でどのタイミングで摂取していますか?
プロテインとは何ですか?
それはどこで学んだのですか?

「みんなが使っているから」
「誰かにオススメされたから」
「会社の宣伝を見たから」
「テレビでいいって言っていたから」
「有名な人が使っているから」

といった理由でサプリを摂取していませんか?

「自分が摂取しているものは一体何なのか、本当に効くのか、効果的な使い方をしているのか」 といったことを自ら考え、調べたことはありますか?

世の中には私たちそれぞれに有用なサプリがある一方で、人によって摂取する必要のないサプリもあります。そもそも効果が疑わしいようなサプリもありますし、普段の食事や生活で十分に摂取できているもの、つまりそれ以上摂取する必要のないものをサプリで摂取している可能性もあります。
食生活が偏っている人や、アスリートの方々で微量栄養素が欠乏している人などが、足りないものをサプリで摂取するのは効果があるかもしれません。しかし、

「このサプリはどういった効果があるのか」
「それは本当に正しいのか」
「今の自分にそれは必要なのか」

といったことを考えないでサプリを摂取していると、必要のないものにただただお金を浪費しているだけになってしまうかもしれません。

■「科学的に証明された」という宣伝文句

ところが困ったことに、サプリについて深く考えることが出来たとしても、そう簡単に自分の知りたい情報にたどり着けるとは限りません。サプリメント業界は、商品を売るために、いかにも全ての人々に有益であるかのような、購買意欲をそそる宣伝をしているからです。
そんなサプリメント(や、トレーニンググッズ等)の広告の中に

「科学的に証明された」

「エビデンスがしっかりある」

といった言葉を見かけたことはありませんか?
そこまで直接的でなくても、論文をいくつか引用して、「ほら科学的にも効くって言われていますよ!」という宣伝の仕方をしている商品はいたるところで見つけることができると思います。
私は大学で生命科学を専攻し、酵素学・生化学・微生物学・食の化学などを学び、アメリカで博士号を取得したのち現在はアメリカの研究機関で引き続き生命科学系の研究をしています。そんな私から見ると、サプリ業界というのは「科学」の本質・不確実さを無視し、「科学的」「エビデンス」というワードを「利用して」商売をしているように見えてしまいます。
この連載ではサプリメントを摂取しているみなさんに向けて、

1. 世の中にどれだけデタラメが溢れているか

2. 「科学」は皆さんが思っているほど完璧ではない

3. 「科学的」を根拠に売られている商品の広告がなぜ信用できないか

4. どのようにすれば無駄なサプリにお金を使わずに済むのか

といったことを科学者ならではの視点から発信していこうと思います。

 

 

 

 

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